2011年11月14日月曜日

母からの手紙

私の母は、手紙好き。
メール手段がない母は、私に手紙をよこします。
内容は、以下のような「日常の」こと。

猫がひなたぼっこの位置を変えた。
おじいちゃんが蟹をとれなくなった。
近所の建設現場が撤退して淋しい。
紅葉が満開。

私がことばが好きなのは、母の影響だと思う。
彼女は確かに毎日文章を読んで、なにかを書いている。私は子ども時代のことを思い出す。
留守にすると、うちの母は殴り書きのメモ紙を、食卓のテーブルに置いてゆく。
書道に携わっているのに、あまりのスピードで書き綴るため、字が連なりすぎるのだ。

わたしたち兄弟は、よくそのことについて文句を垂れた。
そうすると母はむくれた。

私は上京してからも母からの手紙を読んでいると、すごいスピードで書いたのだろうなと感じる。
しかしあるときたまたま母からの手紙を鞄に入れておいた私。
知り合いの大学の先生に冗談にして見せた。あまりにも連なり文字で読めないときがあるのです、と。
すると先生はおっしゃった。
「綺麗な字だな」
私はふと葉書に目を戻す。

先生に褒められた母は、きっと口に手をあて喜んでいる。

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